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2021年5月

2021年5月26日 (水)

11年ぶりの小説

11年ぶりの小説 鳴かずのカッコウ 手嶋龍一著 小学舘刊 本体1700円+税
ヒト、モノ、カネのない「三無官庁」の公安調査庁にあって、梶壮太は脱力系で「Mr.ジミー・チョー(超地味)とも呼ばれるが、一度目にした光景は細部にいたるまで憶(おぼ)えているという特技をもつ。その壮太が中国、北朝鮮、ウクライナ、バングラデシュ、神戸を舞台に暗躍の現場を持ち前の粘り強さで暴いていく。
終盤の物語は意外な展開を見せる風景描写にはロマンもある。カッコウは他の鳥の巣に卵をそっとうみつけて孵化させる。カッコウの托卵、つまり偽装の技。迫り来る危機のシグナルを聞き分け国家の災厄を言い当ててみせる。これが使命。
あーかっこいい。

FFS理論が教えてくれる

FFS理論が教えてくれる ろあなたが伸びる学び型 古野俊幸著 本体1800円+税 日経BP FFS理論では、人間の生来の性格の個性は、大きく「保全性」が高い人、「拡散性」が高い人にわけられる。「保全性」が高い人は積み重ねを苦にせず、一歩一歩階段を上がるようなやり方が得意。一方、予想していない事態への対応が苦手。
「拡散性」の高い人は興味が次々と移り変わり、柔軟な発想ができるがコツコツ反復練習をさせられるとみるみるテンションが下がる。対照的な個性の人がそれぞれ合わない学習法を採っても成果はあがらない。
まず学ぶ人のFFS理論による分析をやってみましょう。

2021年5月19日 (水)

青春群像小説

青春群像小説 エレジーは流れない 三浦しをん著 双葉社刊 本体1500円+税
のどかでさびれた温泉街に暮らす高校生の怜。複雑な家庭の環境や事情 迫り来る進路の選択など、悩み多き日々を送っていた。歌や漫画や大人はみんな、「夢に向かってがんばれ」と煽るけれど。なりたい職業、将来の夢、そんなものは・・・何も無い❗
何気ない日々が輝くほどの思い出になることすらまったく気づいていない。家族愛・笑い・ちょっぴりサスペンス?クスッと笑えて、ハラハラして、こんなに元気をもらえる青春小説は初めて。是非一読を。

2021年5月12日 (水)

お告げの意味に気付いたとき

お告げの意味に気付いたとき 猫のお告げは樹の下で 青山美智子著 宝島文庫刊 本体700円+税
ふと立ち寄った神社で出会ったお尻に星のマークがついた猫ミクジから「ニシムキ」と書かれたタラヨウの葉っぱを授かり「お告げ」が導く7つの優しい物語。
ふわっと心があたたかくなったり、涙がでてしまったり。

2021年5月 5日 (水)

私たちは、知らないうちに誰かを救っている

私たちは、知らないうちに誰かを救っている 木曜日にはココアを 青山美智子著 本体640円+税 宝島文庫刊
川沿いの桜並木のそばに佇む喫茶店「マーブル・カフェ」の一杯のココアから始まる12編の連載短編集。
やっぱり目頭が熱くなってしまいます。