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2016年11月 3日 (木)

伝承と史実・・榛名神社矢立スギ

伝承と史実・・榛名神社矢立スギに限った、事例ではないですが、東国では平安時代初期の坂上田村麻呂、奥州侵略(対蝦夷戦争)の際の伝承しばしばあります。

先週29日実施した、第4回高崎学検定・・ 問題と解答・について、考えて見たい。
最初の、問題1
次の文章のうち、【 】に適するものは、下の選択肢のどれでしょうか。
江戸期には森林は貴重な資源であり、木材は建材や日用品の加工部材、薪や炭などの燃料として活用されました。現在の榛名山中腹の樹木は、多くがクリ・コナラなどの二次林や、スギ・ヒノキが植栽された人工林です。 しかし榛名神社の境内地とその付近には、自然林が残されているとされます。そのうち、神社の参道にある矢立スギ(高さ55ートル、樹齢400~500年)は、【 】による戦勝祈願の伝承で知られる古木で国指定天然記念物になりました。
 (1)里見義俊 (2)新田義貞 (3)足利尊氏 (4)武田信玄

地元旧榛名町で『榛名町誌』全8巻中世編読んでいる方、ご存じかと思いますが、中世史編纂している、先生(旧榛名町時代の樋口秀次郎先生も)断言している、つい最近まで、榛名神社矢立スギ・・武田信玄・榛名観光協会よりとなっていました。・・いつのまにか戦勝祈願の伝承した事なっている。・・・これで高崎市が認めた事なり、大手ふって、そう言われるでしょう.

・これはある意味では郷土史・歴史学ではない、歴史的伝承の根拠を批判検証しなければ、歴史学は一概に伝承も否定もできませんが(榛名神社矢立スギの事例全く別)。

一般論として、戦国時代の戦乱を江戸後期「軍記物」(200年以上経過して、戦乱軍記を一族が美化して、悪い様に書くわけないです)(著名な歴史学者は軍記物は全く参考史料に値しないと断言している)無批判的に受け入れては。
伝承、武士の氏文読みも、家系図も、仮冒ありと言われます、等々相当慎重にならなければ郷土の歴史学はなり立たないし、観光協会事業とわりきるなら話別ですが。

・関連ブログ
・岡上景能が英雄視された美談・間違った歴史認識が・・ 16/05/29 記事
高崎経済大学の西沢淳男准教授によると「岡上景能が英雄視された美談・間違った歴史認識=俗説が史実と混合され、教育委員会・教育現場まで広まっている。地域史を正確に見抜く力
●西沢淳男淳教授 
「しかし、一般に観光あるいは学校教育の現場において史実を知ろう
と目にするものは、研究書や研究論文ではなく、現地の観光案内、説
明板、学校副読本やメディアコンテンツ等である。WEB上でも検索
にヒットするが膨大であり、管見の限りではこれから紹介する史料の
二次利用がほとんどである。」

【二】1次史料と2次史料
  史料には、その時代に書き残された1次史料と、1次史料等を加工・
編纂した2次史料がある。
  地域史を描く場合、出来うる限り良質(客観的)な一次史料に当た
ることが望ましい。しかし、1次史料のみでは難しい場合も少なくな
い。その場合、2次史料を利用することになるが、十分な精査が必要となる。