涙の道中物語。
流人道中記 浅田次郎著 中公公論社刊 (上、下) 各1700円+税 時は、万永元年 (1860)旗本の青山玄蕃(げんば)は、姦通の罪を犯してしまう。青山家所領を安堵することと引き替えに奉公所から切腹を言い渡された玄蕃。それを受けて彼は、「痛いからいやだ」と口にした。やがて玄蕃に蝦夷松前藩への流罪判決がくだる。押送人に、選ばれたのは、19歳の見習い与力、石川乙次郎。玄蕃は彼と共に、奥州街道を北へと歩んでいく。道中で出会う人たちは、皆悩みを抱えた者ばかり。口も悪ければ態度も悪いどうしょうもない男、青山玄蕃。そんな彼にも人をを思いやる優しさがあった。道中で出会う人たちを玄蕃は持ち前の優しさと機転で助けていくが・・・。「青山玄蕃」とは果たして何者なのか?彼が犯した本当の罪とは?旅路の果てにあるものは・・・